○白眉(はくび)…蜀志・馬良伝
多くの中で最も優れている事。三国時代、蜀の馬氏には5人の子供がいて、その中も長男の馬良がもっとも優れていた。その馬良の眉には白いものが混じっていたことからいう。
原文
「兄弟、並びに才名あり。郷里これがことわざをつくりて曰く。馬氏の五常、白眉もっともよし、と。良は眉中に白毛あり、ゆえに以ってこれを称す」
○髀肉之嘆(ひにくのたん)…蜀志・先主伝
功名を立てる機会がないこと。「脾」は腿。三国時代、劉備が長い間馬に乗り戦場に出る事がなかった時(荊州客将時代)があった。その時に腿に肉がついて太ってしまったことを嘆息していた故事。
原文
「備、曰く。平常、身鞍を離れず。脾肉みな消ゆ。今また騎せず、脾裏に肉生ず。日月馳するがごとく、老いまさに至らんとす。しかるに功業建たず。ここを以って悲しむのみ」
○兵は神速を貴ぶ(へいはしんそくをたっとぶ)…魏志・郭嘉伝
軍隊を動かすには、素早くやるのをよしとする。すべてにおいて迅速、機敏であることが大切
原文
「太祖まさに袁尚を征せんとす・・・・嘉言いて曰く、兵は神速を貴ぶ」
○枉賀(おうが)…蜀志・諸葛亮伝
相手の来訪を敬って言う言葉。「枉」にはまげるという意味があり「賀」には乗り物という意味がある。
行き先を変えてまで、わざわざ訪ねてくれるという意味。
原文
「この人は就いて見るべく、屈致すべからざるなり。将軍、よろしく賀を枉げて之を観るべし」徐庶が劉備に諸葛亮の事を語った時の言葉
○改竄(かいざん)…晋書・阮籍伝
「竄」も「改」も改め変えるという意味。つまり文や語句を改めなおす事。今は悪用する目的の場合を言うことが多い。
原文
「改竄するところなく、辞はなはだ清壮なり」
○画餅(がへい)…魏志・盧イク伝
絵に描いた餅はたべられない。そのことから実際役に立たない事をいう。
原文
「詔していわく、選び挙ぐるに名有るを取るなかれ。名は地に画き
て餅を作るが如し。くらうべからざるなり」
ことわざ辞典