貂蝉と華陀
情報提供者:しすサン


 王允はある日董卓の軍に両親を殺された子を養女とし、貂蝉と名付けた。
 王允は董卓の名を聞くと歯を噛みしめて悔しがる貂蝉を見て、美人局の計略を思いつくが、貂蝉は顔が不細工なので、これはいかんと考え込んでしまう。
 そんな時、偶然訪れた華ダに相談をする。
「彼らを惑わすに足る美人で、民のためなら命もいらぬという人物が見あたりません」
 華ダは貂蝉こそ適任だと言うが、やはり顔が問題。
 そこで華ダは心配に及ばぬと屋敷を出て、十日ほどしてもどってくると手に風呂敷包み。
 王允が何かと思うとそれは女の首。
 王允が仰天すると華ダは「これは西施の首で墓から取ってきた」と言う。
 そして華ダは貂蝉の首を落として西施の首を縫い合わせ、千年を経た霊芝と万年を経た亀の甲でいぶし、七日七晩。
 八日目に貂蝉は目をさました。
 十日目には常人同様に生活できるようになったが、董卓暗殺の話をうちあけると貂蝉はガタガタ震えだして口も聞けぬ有様。
 これではダメだと諦めかけたが、運悪く董卓の部下に美しくなった貂蝉を見られてしまう。
 王允の屋敷に絶世の美女がいると聞き、董卓は貂蝉を送り届けるよう王允に伝える。
 このままでは露見すると焦った王允は急病で伏せていると時間稼ぎ。
 王允は華ダを巻き込むまいと馬で高飛びさせようとするが、華ダは馬を走らせ、今度は荊軻の肝を持ってきて、貂蝉の小さな肝とすげ替えてしまう。
 こうして西施の美貌と、荊軻の度胸を身につけた貂蝉が誕生する。
 そして後は演義と同様、両者を仲違いさせみごと董卓の首を討つことに成功した。


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