曹操の赤壁敗走
情報提供者:一刻者サン


 赤壁から命からがら逃げ延びる曹操は、華容道で関羽の情けにすがり、なんとかその場を逃げ延び、気がつくと夜になっていた。
 曹操らは疲れ果て、山の麓で休んでいた。すると突然、追っ手の叫び声!あくまで戦って死ぬ事を主張する者もいたが、曹操は、それは無駄死にであると言って退ける。また、別の者は逃げ道を見つけることを主張するが、曹操は、これも暗闇で方向がわからないまま動いても自殺するようなものだと考えた。結局、進むも引くも、どうしたらよいかわからない。
 その時、雁の群れの鳴き声を聞いた曹操は、突然大きな声で笑いだした。将軍らは驚き尋ねる「丞相、今どうして大笑いなさったのですか」と。曹操は自信を持って言った。
「私に運が向いてきたから笑ったのだ。雁という鳥は冬、北から南に向かって飛ぶ。我々は北に向かっていけば逃げられる。間違いない」
 皆その言葉を聞いて北に向かい、無事帰ることが出来た。


三国志データベース