一、正史と演義
講師:劉備・陳寿
「まぁ誰が書いていても、私が主役な訳だから、素晴らしい小説だ!」
「しかし、演義の影響で間違った知識を事実として覚えてる方が多い様ですから困ったものです」
「そんなに違いが多いのか?」
「はい。例えば、演義では劉侯爵が若い頃、黄巾賊討伐の成果を認められ、初めて県尉に着任しましたよね?
この時の『鞭打ち事件』を覚えてますか?」
「いや…それは…若かりし頃の…」
「実は演義では、あのシーンで賄賂を求めた役人を鞭打ちするのは、張飛将軍なのです」
「何!?実際は私が奴を…」
「そうです。本当は侯爵がやられたんですよね?
でも、演義の侯爵はあそこでいきなり鞭打ちするような性格ではその後の流れ的に困るわけです。
また、張飛将軍のイメージ的にもその役はあのお方にピッタリだったのでしょう」
「そうか…まぁ益徳はその様な細かい事を言う様な男でもあるまいし…(段々小声)」
「そう!その字も演義では『翼徳』となってる事が多いですね」
「益徳の奴…字まで改ざんされておったか…」
「その様な細かい事から、小説『三国志演義』には創作された事柄が多いという事も覚えておく必要があるでしょう。
ただし、ここ三国志博物館では、決して演義を否定はしてません。むしろ、正史・演義両者を知った上で、初めて三国志の世界をより深く考える事が出来ると言うスタンスでサイトを成り立たせています。
そこがこの博物館の良いところなんですよね」
「確かに、演義は娯楽として読んでも十分の楽しめる内容だしな。
それに間違いと言えば、お前もかなり間違ってるしな(ニヤリ)」
「それは聞き捨てなりませんな(少し機嫌を損ね)。
私の作品のどこに間違いが?」
「(勝ち誇って)ほれ。ここにも、ここにも…ここにもじゃ。
裴松之という人物がこんなに間違いを直しておるではないか?」
「うっ!(狼狽)
……だから先程言いました通り、正確には書けない部分が…」
「それにしては単純な間違いも多く指摘されとるようじゃのぉ(細い目)」
「ゴホン(話を変えようと…)
さて、皆さん『正史』と『演義』の説明、分かりましたか?
三国志博物館は基本的に正史準拠としてますが、多くのコーナーで演義も取り上げております。
この機会に、是非皆さんも演義をご覧になって博物館の各コーナーとの違いを体感して下さい。
お勧めはやはり、小説なら吉川英治先生の『三国志』。漫画なら、横山先生の『三国志』ですね」
「(うまく話を変えたな?)
陳寿よ。自重せよ!(無双風に…)
ちなみにコーエーの各ゲームは演義ベースであるから、勘違いしないように。
おぉ!民よ!またどこかで会おうぞ!」
「う〜ん。。。本当にカリスマがあるのか?(汗)
では皆さん、ここで私の多くの作品を勉強して下さいね!」